Windows標準機能を使用してC#プログラムをデバッグ実行する方法は、Visual Studioなどの専用開発環境に依存しない場合、限られています。しかし、Windowsには.NET Frameworkがプリインストールされており、このフレームワークにはコマンドラインツールが含まれています。これを利用してC#のコンパイルや実行、基本的なデバッグが可能です。

C#プログラムのコンパイルと実行

  1. コマンドプロンプトを開きます
  2. C#のソースファイルがあるディレクトリに移動します。
  3. csc コマンドを使用してC#ファイルをコンパイルします。例: csc example.cs これにより、example.exe が生成されます。
  4. コンパイルしたプログラムを実行します。例: example.exe

デバッグ情報の含め方

コンパイル時に /debug オプションを追加することで、デバッグ情報を含んだ実行可能ファイルを生成できます。これにより、プログラムの実行中に発生したエラーの原因をより詳細に調べることが可能になります。

エラーハンドリング

プログラムがクラッシュすると、Windowsはエラーの内容を表示するダイアログボックスを表示することがあります。デバッグ情報が含まれていれば、エラーが発生した具体的な場所や条件を特定しやすくなります。

これらの手法では、Visual Studioのような高度なデバッグ機能(ブレークポイントの設定やステップ実行など)は使用できませんが、シンプルなエラーチェックやプログラムの流れを追う基本的なデバッグは可能です。より複雑なデバッグ作業が必要な場合は、統合開発環境(IDE)の使用を検討することをお勧めします。

コマンドラインコンパイラのデバッグオプション

C#のコマンドラインコンパイラ(csc.exe)を使用して、デバッグ情報を含む形でプログラムをコンパイルする方法はいくつかあります。主に利用されるデバッグオプションは以下の通りです:

  1. /debug: このオプションを使用すると、デバッグ情報が生成されます。特定の設定を指定することで、より詳細なデバッグ情報を生成することが可能です。例えば、/debug:fullはプログラムをデバッガにアタッチ可能な状態でコンパイルし、/debug:pdbonlyはデバッグ情報を生成しますが、実行中のプログラムにデバッガをアタッチした際にはアセンブリコードのみが表示されます。
  2. /define: プリプロセッサ指令を使用して条件付きでコンパイルを行う場合、このオプションを使用してコンパイル時に特定のシンボルを定義します。例えば、/define:DEBUGを指定すると、コード内のDEBUGプリプロセッサ指令に基づいて条件付きコンパイルが行われます。
  3. /optimize: このオプションは、コンパイラによる最適化を制御します。デバッグ時には通常、このオプションを無効にしてコードの読みやすさを保持しますが、リリース時には有効にしてパフォーマンスを向上させることが一般的です。
  4. TRACEとDEBUGの条件付きコンパイル: TRACEDEBUGディレクティブを使用して、トレースやデバッグ出力をコンパイルに含めるかどうかを指定することができます。例えば、csc -d:TRACE=true -d:DEBUG=false MyApplication.csのように指定することで、トレースは含めるがデバッグは含めない設定でコンパイルすることができます。

これらのオプションを適切に使用することで、開発中のデバッグ効率を向上させることができます。また、これらのオプションはVisual Studioのプロパティページからも設定可能ですが、コマンドラインから直接設定することでビルドプロセスの自動化が可能になります。

詳細については、Microsoft LearnのC# Compiler Optionsを参照してください。